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 宮古市川井地域は、北上山地のほぼ中央部に位置し、94%を山林が占めています。
早池峰山の北面を有し、豊かな自然に恵まれている一方で、平地が少なく、夏は冷涼なやませの影響を受け、冬は厳しい寒さにみまわれます。そのような自然環境の中で、私たちの祖先は自然を敬いながらこの地で脈々と生きてきました。
 北上山地民俗資料館では1994年(平成6)11月1日にオープンしました。この地で暮らす人々を支えてきた様々な民俗資料およそ7,500点を収蔵し、3,500点を展示しています。これらは昭和30年代から継続された民俗調査をもとに旧川井村内全域およそ400軒に協力をいただいて収蔵された資料です。
 開館後は製作や使用方法に関する聞き取り調査や、資料を計測して図面化する実測図の作成を行い、資料の学術的な価値を高める作業をすすめています。
 これらの活動が認められ、平成15年2月に、所蔵する資料のうち1345点が「北上山地川井村の山村生産用具コレクション」として国の重要有形民俗文化財に指定されました。当館ではこれからも人々の知恵や工夫がこめられた展示資料をとおして、昔の人たちの暮らしや仕事に対する情熱や生き方を伝えていけたらと考えています。