[くめんだけ]を作って遊ぼう(夏休み工作教室)  平成27年8月1日(土)

北上山地民俗資料館では所蔵資料の一つ[くめんだけ]を作って遊ぶ講習会を開催しました。

[くめんだけ]とは、漢字をあてると「工面竹」となるそうです。当館には故・水無辰巳さん(江繋地区)からご寄贈いただいた資料が1点あるだけでしたが、平成26年に地元で受け継いでおられる中村ヒデさんから、その名称や解法を教わることができました。今回の工作教室では、中村ヒデさんから作り方や遊び方を教えていただきました。

水無さんから寄贈された[くめんだけ]は、小さな板の真ん中にあけられた穴に紐が通っていて、紐の両端は板の端で結ばれています。紐と板で二つの輪が形作られた状態ですが、それぞれの紐には竹の管が何個か通っています。今回は、中村さんが受け継いでいた板の部分がタケに置き換わった形状のものを作りました。タケは地元に生えるニガタケです。

遊び方は、竹の管をどうにかして隣の輪に移動させるというものです。紐が通っている部分の穴は小さすぎて、一目でここに管を通すことはできないことがわかります。中村ヒデさんから「いろいろ考えて工面するから工面竹という」と教わりました。

その後、江繋地区や小国地区にお住まいの方からも、ご存知であるとか、父親から受け継いだ[くめんだけ]を持っているなどの情報が寄せられています。当館では今後も情報を集めながら、いつ頃、どこから伝わって来たのかなど、明らかにしていきたい考えです。


「[くめんだけ]を作って遊ぼう」の様子から

 

[くめんだけ]

北上山地民俗資料館所蔵。故・水無辰巳さん寄贈資料。

 

[くめんだけ]

水無辰巳さんより[くめんだけ]を受け継いだ中村ヒデさん所持の[くめんだけ]と同じ形状のもの。

工作教室の様子①

本体部分は先に長さを整え、穴をあけて準備しておきました。工作教室では、ニガタケを鋸で使って管を作り、紐をとおして組み立てる行程を行いました。

 

工作教室の様子②

完成した[くめんだけ]に挑戦です。

工作教室の様子③ 

この日参加したのは小学生8人とで、講師の中村ヒデさんと岡沼秋子さんから作り方や遊び方を教わりました。作業のお手伝いをいただいた小国分館友の会ボランティアの皆さんも挑戦しました。

湯澤孝さん所持の[くめんだけ]

その後、いろいろな方にお聞きするうち、明治生まれの父親から受け継いだ[くめんだけ]をお持ちである湯澤さんからお話を伺うことができました。挑戦するもののいまだ解けないとのことです。

 



著作権の表示 (C)宮古市北上山地民俗資料館