北上山地民俗資料館では所蔵資料の一つ[くめんだけ]を作って遊ぶ講習会を開催しました。
[くめんだけ]とは、漢字をあてると「工面竹」となるそうです。当館には故・水無辰巳さん(江繋地区)からご寄贈いただいた資料が1点あるだけでしたが、平成26年に地元で受け継いでおられる中村ヒデさんから、その名称や解法を教わることができました。今回の工作教室では、中村ヒデさんから作り方や遊び方を教えていただきました。
水無さんから寄贈された[くめんだけ]は、小さな板の真ん中にあけられた穴に紐が通っていて、紐の両端は板の端で結ばれています。紐と板で二つの輪が形作られた状態ですが、それぞれの紐には竹の管が何個か通っています。今回は、中村さんが受け継いでいた板の部分がタケに置き換わった形状のものを作りました。タケは地元に生えるニガタケです。
遊び方は、竹の管をどうにかして隣の輪に移動させるというものです。紐が通っている部分の穴は小さすぎて、一目でここに管を通すことはできないことがわかります。中村ヒデさんから「いろいろ考えて工面するから工面竹という」と教わりました。
その後、江繋地区や小国地区にお住まいの方からも、ご存知であるとか、父親から受け継いだ[くめんだけ]を持っているなどの情報が寄せられています。当館では今後も情報を集めながら、いつ頃、どこから伝わって来たのかなど、明らかにしていきたい考えです。 |