伝統的食文化伝承講座「昔のおやつ~ひゅうず と がんづき」  平成28年12月2日(金)

北上山地民俗資料館では、地域の郷土食やそれに関する技術を学ぶ機会として「ひゅうずとがんずき作り」の講座を開催し、鈴久名こだま会の神楽栄子さんから17名の参加者が作り方を教わりました。
「ひゅうず」とは捏ねた小麦粉で手のひらに乗るくらいの大きさの円形の皮を作り、真ん中に味噌、ゴマ、クルミなどの餡を入れ、皮を真ん中から折り返して端をくっつけて半月形にして茹でた団子です。
「がんづき」は小麦粉にクルミやゴマを混ぜ込んで蒸して作ります。重曹でふくらませます。東北地方で広く親しまれているそうです。
どちらも昔から地域の人たちが協力しあう「ゆいとり」や「やどこ」(屋普請)での作業に休憩食として食べられていたものだそうです。
講座の参加者からは「いつも買って食べているけれど、家でぜひ挑戦したい」「とても勉強になって楽しかった」と感想がありました。
当館では地域の伝統的な食文化について記録保存するとともに、体験することで、昔の暮らしについて興味を持ち、技術を学ぶことができる機会を提供していきたい考えです。

 


「昔のおやつ~ひゅうず と がんづき」 講座の様子から

 

「ひゅうず」は宮古市川井地域の中でも、地区によって呼び名が異なります。中身は味噌に砂糖やクルミを混ぜた餡で、噛むと甘じょっぱい餡がじゅわっとしみ出てきます。

耳たぶくらいの硬さにこねた「ひゅうず」の生地に餡をのせる作業。

 

切り分けた状態のがんづき。生地はほんのり醤油の風味があり、ゴマやクルミが香ばしい。

現代の作り方は、ガス火に蒸かし鍋、クッキングシートで作ります。上にのせるゴマやクルミの代わりに、レーズンでも美味しいですよと講師からアレンジを教えてもらいました。



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