北上山地民俗資料館では夏休みにあわせて「紙すき体験と消しゴムはんこ作り」の教室を開催しました。「紙漉き屋・群青」という和紙工房を市内で主宰している栗橋くみ子さんを講師に、小学生6人が参加しました。閉伊川沿いの川井・新里地域では昔、「閉伊川和紙」と呼ばれた和紙が作られていました。栗橋さんは「閉伊川和紙」のことを伝えていきたいと活動しています。この日も、昔の紙漉き道具を見せて説明してくださいました。また、ノート、ポスター、和紙を破いて、それぞれ感触や硬さを確かめ、用途により紙質が違うことも教えてくださいました。和紙を作る体験では、実際にコウゾの木の皮を剥ぐ、繊維をたたいて細かくするといった作業も体験しながら紙すきをしました。参加者は和紙作りでは根気強く繊維をたたかなくてはならないことや、繊維をまとめるトロロアオイがとても粘ることに驚いたようです。また、簀桁をゆすって厚みをそろえるのが難しそうでしたが、徐々にコツをつかみ、積極的に作業をしました。和紙を乾燥させている時間に、消しゴムはんこ作りにも挑戦しました。思い思いの図案でつくり、乾いた和紙カードにそれぞれのはんこをスタンプして完成です。とても可愛らしい和紙カードができました。
北上山地民俗資料館では、これからも講座を通じて地域の子どもたちに地元の伝統的な生活技術を体験してもらい、昔の暮らしや道具に興味を持ったり、理解を深めていく機会を提供したい考えです。 |