開館10周年記念企画展(通算9回) 平成16年10月15日~11月24日 

「川井村の暮らしのこよみ―畑仕事を中心に―」


 当館は平成6年11月1日の開館以来、村民の皆様をはじめ、多くの関係の皆様にご支援をいただきながら、着実に歩みを進めてまいりました。特に、平成15年2月には所蔵資料の一部が「北上山地川井村の山村生産用具コレクション」として国の重要有形民俗文化財に指定されました。これは、北上山地の厳しくも豊かな自然に育まれてきた先人たちの知恵の結晶ともいえる民俗資料が国の宝ものと認められた、村民の誇りとなる出来事でした。                          このたび、開館10周年を記念して、国指定となった9分野の民俗資料の中から農耕、特にも本村での暮らしの根底を支えつづけた「畑作」をテーマに企画展を開催する運びとなりました。先人たちの知恵がつまった畑作用具に加え、1年を通しての畑仕事の手順や、自然から経験的に培われた「こよみ」も紹介しています。     

 館内にて、本村で畑仕事が生活の中に色濃く反映していた時代の「暮らしのこよみ」を紹介する図録を配布しています。



 企画展開催中に、村内の小中学生を対象に解説会を行いました。説明してくださったのは「食文化伝承活動グループ」の皆さんです。このグループは実際に畑でヒエ、アワやソバなどの雑穀を栽培し、調理までを可能な限り昔ながらの方法で行い、その記録を伝承することを目的に活動しています。この日は、「ヒエマキザクラ」など畑仕事の目安となった「自然のこよみ」について説明した後、ヒエのだんご(クルミ味噌をつけて焼いたもの)を作ってごちそうしました。おそるおそる箸をつけた小中学生からは「意外と美味しい」と驚きの声があがっていました。




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