企画展開催にあたって
宮古街道は、城下盛岡と三陸海岸の主要港がある宮古を結ぶ街道として、江戸時代に整備が始まりました。北上山地の河谷を行く宮古街道は、道幅のせまい曲がりくねった山道や、少しの増水でも道が失われてしまうような川沿いのがけ道も多く、盛岡藩内でも屈指の難所続きの道のりだったといいます。そのため改修工事や道の付け替えがいく度も行われました。
当時の交通手段は徒歩で、海産物や木材などの物資輸送は牛馬の背によるものが主流でした。その後、明治時代になると道も改良されて馬車が導入されるようになります。現在の国道106号線は宮古街道をもとに整備されたもので、宮古、盛岡間が94.1㎞、自動車で2時間弱の道のりですが、かつては徒歩で二泊三日かかりました。街道沿いには宿があり、旅人、馬方あるいは馬車引きの人たちが滞在することで人や文化の交流の場ともなりました。また街道沿いに暮らす人々にとっては、生活物資を手に入れる道であり、集落と集落をつなぐ道でもありました。
今年度の企画展では、宮古街道の歴史を振り返りながら、関連の史跡や民俗資料を紹介し、街道のはたしてきた役割を紹介します。
展示の様子
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