投網
投網
 自家製の絹糸で作られたもの。売りに出せない「二番繭」から糸を取り、「ぶんどう撚り」という方法で撚りをかけてから[網針]で編んで作製した。「ぶんどう撚り」とは一定の長さの糸の端に近い部分2箇所を天井や梁に吊るす。そして糸の両端に独楽のような道具を結びつけてそれぞれを回して糸によりをかける方法である。[わく(糸撚り車)]を持たない家ではこの方法で糸に撚りを掛けた。出来上がった[投網]はカキ渋につけて硬くする。

[投網]の裾部分には錘をつけるが、それも自分で作ることがあった。まずE-2-14の[金属溶かし]で鉛を溶かす。砥石で錘の型を作り、その中に溶かした鉛を流し込む。そのときカヤをさし込んでおき、錘に糸を通すための穴をあける。

[投網]を使用するときは裾をめくって固定し、袋状にする。これは「つりざ」を作るといい、投網を川に投げたとき、この部分に魚が入り込む。ただしアユは、「つりざ」に入り込まず岩陰に潜んでいるので、潜って[やす]で突く。使用しないときは投網を長持ちさせるために「つりざ」をはずしておく。


資料番号 資料名 寄贈者 地区名 整理番号 重量
E-2-13 投網 榊原春雄 小国 9599 3950g

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